2010年02月06日

はじまりの場所。

Photo 新しき春
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明後日、鉄人のスタジオに初期仏教のお坊さんが来られる。月一で開いている瞑想会のゲストとして、講演をお願いしていたものが実現したのだ。 
 
これも瞑想会の実質的リーダーの佐藤さんのお骨折りの賜物である。

講演といっても何かテーマを決めて話しをしていただくのではなく、質疑応答の式で、会を進めようと考えている。

実は仏教の祖である仏陀は、自らが進んで話しをするということは少なかった。誰かが質問して、それに仏陀が答えるという方法を、多くの場合とっていた。

自分が分らないことを質問するということは、それほど大切なことになる。

しかし一年くらい前、いや半年くらい前まで、自宅でこのようなことが実現するなど思ってもみなかった。実は鉄人にとっては、身震いするような出来事なのである。

日頃多少でも鉄人のブログを読んでいただいている方には、お分かりのように、鉄人は独学ではあるが、初期仏教を学んでいる。

この初期仏教と云うものは、二千六百年前に、在世されていた仏陀の教えをそのままに、現代まで伝えている仏教の一派である。

そしてその教えは、つい最近まで日本に上陸していなかった。ということは、今まで日本には仏陀の直接的な教えはなかった。ということに他ならない。

日本に仏教が伝来して千五百年。その間、日本人が学んでいた仏教は、中国大陸でアレンジにアレンジを重ねた仏教だったのである。

このことはどのような意味があるのか。それは仏陀が教えたかった「真意」が、完全には日本に伝わっていなかったことを意味する。

鉄人のブログによく登場していただくスマサナーラ長老によると、歴代の著名な大乗仏教の開祖の中で、完全なる「悟り」を開いた人物は唯のひとりとしていないそうなのだ。

誰もが知っているあの空海然り、最澄然り、法然も親鸞も誰ひとりとして、仏門に入った人間の最終目的である「悟り」に到達していないと云うことになる。

悟れない理由は簡単である。悟る方法が完全な形では伝わってこなかったからに他ならない。仏陀の方法以外で悟るということは、論理的にあり得ないというのが、長老の見方だ。

わずかに日本曹洞宗の開祖、道元のみが「悟り」の境地に近かったそうである。ご存知のように道元は禅僧である。「禅」は瞑想のひとつのやり方であり、仏陀の瞑想法に近かった。それでも完全には悟れなかった。と、道元自ら述懐している。

それに近い話は、現代の最高レベルの高僧の言葉にも出てくる。

その高僧の名は酒井雄哉。天台宗の大阿闍梨で、苦行中の苦行で知られる「千日回峰」という荒行を、二度達成した人物である。

「千日回峰」の過酷さについては割愛するが、比叡山千二百年の歴史の中で、二度達成した行者はわずかに三人しかいない。

その酒井大阿闍梨をして、「何にも悟っていません」と言わしめたのが、大乗仏教の現実なのである。
彼の言葉は謙遜ではなく本音だと思う。何故なら仏弟子は、ウソを言ってはならないからだ。

酒井大阿闍梨が悟れなかった理由も簡単である。仏陀が遥か昔に教えている。「苦行では悟れません」と。

方法論が間違っているのだ。いくらポテンシャルが高くても、方程式を間違えれば結果は出ない。

今までの日本の仏教界は、その方程式を知らなかったのだ。このことを裏付ける言葉がある。

日本の最高の仏教学者のひとり、山折哲雄氏がスマサナーラ長老との対談の時に最後に言った言葉。

「日本の仏教は迷いの仏教、初期仏教は確信の仏教です」

この宗教学者のこの言葉が、日本の仏教と初期仏教の違いを明確に現している。

初期仏教は本物なのだ。当たり前である仏陀の直接の言葉なのだから。

話しは随分長くなったが、その本物の仏教が鉄人のスタジオに来るのである。ということは、広島の地において、このスタジオが初期仏教の最初の発信基地になる訳だ。

今まで日本の仏教で誰ひとりとして到達出来なかった「悟り」の世界に、このスタジオが発端となり到達する人物が出てくるかもしれない。身震いもする訳だ。

可能性はあるのだ。方程式も答えも目の前にあるからだ。後はその方程式を深く学び実践していけばいい。

もちろん簡単なことではない。でもその方程式を手に入れることが出来なかった数多の求道者を差し置いて、凡夫の鉄人にでさえもチャンスが与えられた事実。

この出会いに当然感謝するし、また凡夫なりにもコツコツ修行をすれば、自然と答えが出てくるということにも、確信が持てるようになった。それも事実なのである。
posted by masa at 01:33| Comment(0) | 仏教夜話
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