2010年01月23日

困った仕事。

Photo 春遠からじ
harutookaraji.jpg

撮影の仕事というのは、どんな依頼が来るのか見当がつかないところに、面白さと難しさがある。そんなある意味困った依頼があると、どうしたら良いものかと、思案してしまう。 
 
そんな困った依頼が、昨日今日、二日続けてあった。昨日は宮島のあるお店で撮影をしたのだが、撮影自体に困ったことがあったのではなく、撮影機材の運搬に困ったのである。

ご存知のように宮島町は小さな古い街である。我々のような外部の人間が、車を使うようなことはまずない。道は狭いし駐車場もない。

したがって、大概の場合、宮島口の駐車場で車を停め、フェリーで宮島に渡ったら、ひたすら歩く。歩くだけならいいのだが、撮影機材は非常に重い。その重い機材をどうやって運ぶかが、思案のしどころなのだ。

息子も行くので、まず機材を半分に分ける。半分に分けた機材の重いヤツから、リュックサックに詰め込む。背中に背負うのが一番歩き易いからだ。

両手が空いているので、その他の機材をバッグに詰める。最後にかさ張るヤツは、ショッピングカートにロープで縛る。

フル装備で歩く姿は、まるで親子家出人みたいな格好になる。歩く時間は十分弱。その十分弱の為に、準備に要した時間は、二時間。困った仕事だったのだ。

そして今日。今日も違う意味で困った仕事だった。依頼の内容は、「春を撮って来てくれ」。ちょっと詩的でステキな依頼である。

ステキではあるのだが、依頼されたカメラマンは、実に困ってしまう。

今は冬である。おまけに今日は非常に寒かった。それだけでもテンションが下がってしまう。山にでも行けば、何処かに梅が一輪咲いているとか。菜の花が畑に咲いているとか。何処かに春の気配はあるものだ。しかし依頼された場所は、街の中。それも割と無機質なところであった。

撮影というのは現場仕事なので、無いものは撮れない。でも何処かに「春」があるかもしれないと、探しまわる。でも探す努力をしたからといって、それが必ず報われるとは限らない。

でも撮れないと商売にならない。困った仕事なのである。

で、結局「春」はいなかった。時間使って、ガソリン代使って、駐車場代も使って、おまけに寒くて、でも「春」はいなかった。

困った仕事で、かつ残念な結果だったのだが、カメラマンという人種。これに慣れているのである。やるだけやったら、結果が出なくても引きずらない。

金にならなくても、まあ仕方がないと諦める。時給計算など出来ない仕事なのだ。

今後も困った依頼は必ずあるだろう。また頭を悩ませなきゃいけないかもしれない。

しかしそれはそれで、楽しみでもあるのである。
posted by masa at 22:04| Comment(4) | 撮影日記
この記事へのコメント
カメラマンさんって、かっこいいお仕事だな〜って思いましたが、大変なお仕事ですねm(__)m
まぁ、楽な仕事なんて無いんでしょうけど・・・。
頑張って下さいね!!!
Posted by そうたママ at 2010年01月25日 21:14
このブログを読んでロシアの「森は生きている」と言う物語を思い出しました。12の月の精に出会えたら良かったのに・・と。

 カメラのお仕事は本当に大変!!
険しい山岳登山の映像がテレビで楽しめるのも
登山家以上にカメラマンの偉大な力ですよね。
冒険家より体力気力がなくては!!ですね。
Posted by takumi-chacha at 2010年01月25日 21:18
そうたママ様 いらっしゃいませ。

コメントどうもありがとうございます。

実際のカメラマンは、ドラマのようには全然カッコ良くはありません。

昔からディレクターは「何でも屋」。モデルは「我慢業」。そしてカメラマンは「土方」と呼ばれていました。

カメラマンて、完全な肉体労働者なんです。

でもホワイトカラーの仕事が苦手な鉄人には、どうもこっちの方が向いているようです。何しろメシが美味い!!
Posted by 鉄人 at 2010年01月25日 23:15
takumi-chacha様 いらっしゃいませ。

コメントどうもありがとうございます。

「森は生きている」ですか。素敵なタイトルですね。鉄人は読んだ事がなくて、興味を持ちました。

まあ仕事というのは、自分が選んでいる訳で、文句は言えません。またリスクがあるほど喜びも大きいようです。振り子みたいなものですね。

それと確かに山岳カメラマンは大変です。聞いた話しでは、山岳カメラマンの装備の重量は60kgにもなるとか。大人の男性ひとりを背負って、山登りするようなものです。

写真はその場所に行かなければ撮れませんので、その辺りがカメラマンの存在価値になるのでしょうか。
Posted by 鉄人 at 2010年01月25日 23:28
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