2010年01月16日

悲観的楽観論。

Photo 山陰本線
saninhonsen.jpg

鉄人が好む考え方のひとつに「悲観的楽観論」というものがある。プロ野球楽天の前監督野村氏の言葉に触発されたものだ。
 
 
監督の考え方はこうだ。ある事柄に対して考えられる限りの最悪の状態を予測する。そしてそれを回避する為の準備を入念に行なう。そのことによって最悪の事態になっても大丈夫だということで、楽観的になれる。ということなのだ。

日頃鉄人もこのやり方で、リスクマネジメントをしているのだが、三日前、その典型的な事が起こった。

その日、夜中の一時半まで仕事をしていたのだが、当日浜田での撮影の予定が入っていた。集合時間は午前八時半。問題はその日の天気予報にあった。

その日この冬一番の寒さになり、山陰地方は大雪。山陽の沿岸部でも積雪があると、予報されていたのだ。

そこで「悲観的楽観論」的考え方で、その日の行動をシュミレーションしてみた。

今回の撮影で最悪のシナリオは撮影自体が中止になる事。これは自分が考えても仕方がない事態。次に考えられる最悪の事態は、積雪や事故による道路封鎖。現に昨日か一昨日、山陽道が積雪により交通マヒに陥り、その為道路が封鎖され、三時間以上通行止めになったことは記憶に新しい。

普段なら鉄人のスタジオから浜田まで浜田道を利用して二時間弱。雪が積もった場合を想定してプラス一時間。慣れていないチェーンの着脱時間にプラス三十分。合計で三時間三十分。

これだけの時間の余裕があれば大丈夫だろうと踏んだ。浜田での集合時間は八時半なので、朝五時に出発すれば間に合う計算だ。

しかし鉄人は朝五時には出発しなかったのだ。出発したのは夜の仕事を終えた三十分後の二時に出発したのである。

確かに三時間三十分あれば、まず予定通りに着ける。でも先に書いたように、道路が積雪や事故で封鎖されたら間に合わないかもしれない。と、最悪の事態を予想したのである。

ならば今なら積雪も朝より少ないだろう。交通量も確実に朝より少ないはず。ということは事故の確率もぐっと少なくなるはずだ。早く出発して現地で仮眠をとればいいのではないか。

そう考え夜中の二時に出発したのである。次に考えたのが防寒に対することである。仮眠は暖気していれば暖かい状態でできるが、暖気できない状態に遭遇するかもしれない。ということで、寝袋に毛布。長靴、厚手の靴下に着替え、ヤッケなど考えうる限りの防寒グッズを車に放り込んだ。

「悲観的楽観論」に従い自分が出来る範囲のリスク回避のことは全てやったのである。

こうなると気が楽なのだ。二時に出発すれば集合時間まで六時間半もある。万が一車が故障したとしても何とかなる。ということで不安材料が無くなるのである。

さて出発だ。案の定、高速道路はほとんど車がいない。チェーンを装着してのトロトロ運転でも誰かの邪魔になることはない。思ったよりも雪も少なかった。逆にチェーンにとって、積雪が少ないというのはチェーンがダメージを受けるので、あまりいい状態ではない。それもありますますトロトロになった。

そうして三時間後、予定通り現地に着いた。そこで仮眠をとることにしたが場所が街の中である。暖気運転は近所迷惑だ。離れたところで仮眠をとってもよかったが、下手したら起きれないかもしれない。ということで用意して来た寝袋の出番が廻って来たのである。

そうして目出度く八時半。集合と相成ったのである。

と、書きたかったが、アクシデントが起きた。何とクライアントが雪の為に遅れることになったのである。鉄人が夜中通過した時には積雪ゼロだった瑞穂付近が、朝方には四十センチほども積もっていたそうなのだ。時速三十キロくらいで走行しているとのこと。たった三四時間で積雪四十センチ。「悲観的楽観論」主義者の鉄人にも、このことだけは予想出来なかったのである。
posted by masa at 22:17| Comment(4) | 撮影日記
この記事へのコメント
>「三日前、その典型的な事が起こった」

この書き出しに、無事到着したのだろうか、思わぬアクシデント・・・。と結末に(期待しながら?)読み進んだのですが、「ああ良かった」。

鉄人殿が約束時間に遅れたのではなく、クライアントの方が遅れたとのことで。

「辛口」はいつも自分に言い聞かせております。「借りはつくるな、貸しつくれ(それもさりげなく)」
Posted by なんでも辛口 at 2010年01月19日 07:01
師匠様 いらっしゃいませ。

「借りはつくるな、貸しつくれ」ですか。まさに至言ですね。
早くお聞きしてればよかった。

鉄人はかみさんに対して結婚以来、借りをつくりっぱなし。したがって現在に至って、全く頭が上がらない立場になってしまいました。

手遅れですが、これからはかみさんに借りをつくらないように生きて行きたいと思います。

「無理かあ〜!」
Posted by 鉄人 at 2010年01月19日 10:01
あはは!最後にちゃんと
オチがついてましたね(笑)
でも・・・・。なんとなく予測はできました。
ありがちなことですよね。
でも自分はベストを尽くしておいて
クライアントの事情で開始が遅れたなら
それは、仕方ないと諦められることですよね。
(人のことだもの、どうしようもない)
その逆だったらとっても後悔しそうです。
そして「私のバカヤロー」と自分を責めそうです。悲観的楽観論・・・・。
そういえば、いつも無意識で行ってることかもって、あらためて感じました。決して
ネガティブではない考え方だとわかり、
安心しました。
Posted by kuniko36 at 2010年01月19日 11:26
kuniko36様 いらっしゃいませ。

結局「悲観的楽観論」というのは、プロとして当然のことなのかもしれませんね。

kuniko36さんのコメントを読ませていただく度に、kuniko36さんのプロとしての自覚の高さを感じさせていただいています。

普段は手に持っている箸の左右が違っていても、気にもしない様なちゃらんぽらんな鉄人ですが、仕事だけはベストを尽くしたいと思っています。
Posted by 鉄人 at 2010年01月19日 17:43
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