2008年11月06日

忘れえぬ女(ひと)


忘れえぬ女(ひと).jpg

先日フェルメールを紹介してから、ちょっと絵画への興味がぶり返しました。そんでもって早くも第二弾。芸術の秋でもあるし、秋の夜長にいいかなと。


今日の作品はロシアの画家クラムスコイが描いた「忘れえぬ女(ひと)」という絵画です。1883年に描かれた絵画で「ロシアのモナリザ」とも呼ばれている肖像画の傑作です。

この絵画は日本にも来ましたが、残念ながら本物は観ていません。しかし新聞の日曜版でこの作品を観た時のインパクトは強烈なもので、生涯忘れることが出来ない絵画のひとつになっています。何よりも印象深いのは作品の中の女の目です。

対象者を少し見下ろした構図になっていますが、このような構図はあまり例がありません。その瞳は虚ろであり、高慢であり静かであり、何とも表現しづらい瞳です。無表情な顔ですが、眉間に少しだけ皺を寄せています。そこからも上流社会の人間であろう彼女の人間性というのが垣間見えてきます。

寒そうな街並や高級な服装などに帝政ロシアの雰囲気が醸し出されていて作品を静謐で上品なものにしていますね。

見下されている人物は、間違いなく私です。鉄人が見下されている、馬車が通り過ぎる一瞬の時間。この一瞬の時を、この絵画は永遠に止めてしまっています。ですからこの絵画を観る度に鉄人は見下されているわけです。トホホ。ただ見下しているだけではないという感情をこの絵画から感じています。

作家のクラムスコイが、そこのところを書き残している訳ではないので真意は計りかねますが、ただ見下しているだけの作品ならここまで印象には残りません。彼女はたぶん上流社会の人間でしょうから、ある意味、かごの鳥です。彼女を描いている画家はある意味自由な立場の人間です。混じり合うことのないヒエラルキーがシンクロした瞬間、彼女の自由人に対する興味とある羨望がわずかながら何処かにあったのではないかと、鉄人は推理しています。その証拠に彼女は対象を無視していませんし、わずかながらでも感情を出しています。

ロシアではこの作品の題名は「見知らぬ女」となっていますが、日本で展示会を開催した時、現在の「忘れえぬ女」になったそうです。作品の実にマッチした素晴らしい題名ですね。

観ていてドキドキする絵画というのはなかなかお目にかかれません。鉄人の感情を高ぶらせてくれる希有な絵画だと思っています。

追伸 現実の世界で鉄人にも「忘れえぬ女」がいるだろうか。鉄人には絵の才能が無いので残念ながら描けません。


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