2014年06月29日

里帰り。

「野薊2」

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昨日と今日、鉄人はかみさんの郷に帰っていた。一週間前、かみさんのお義母さんが畑で仰向けに転んで、腰と頭を強打して病院に通っていると、かみさんのお義父さんに電話で聞いたからだ。

大丈夫らしいけど、直接会ってその状態を見た訳ではないのでかみさんがとても心配していた。腰も心配だが頭の方はもっと心配である。実際に会ってお見舞いした方が良いと思い急遽帰省することにしたのである。

鉄人は以前脳出血で緊急入院したことがある。手術をするまでには至らなかったのだが、医者から3ヶ月は様子をみないと最終的な結果は分からないと言われた。

幸い後遺症もなく今日に至っているのだが、その様に頭の病気や怪我は油断ができない。帰省してお義母さんとお会いしたらお元気なご様子であった。腰はまだ痛いと仰っていたが、寝込むほどではなさそうである。

頭の方もCTスキャンを撮ったらしいのだが問題はなかったのこと。取りあえずかみさんとふたり安堵したところである。

帰り際には、何時もの様に野菜を山ほどいただいて広島に戻って来た。鉄人くらいの年齢になると親達も高齢である。体の自由も効かなくなって来る。

仕方がないことだけれど、なるべく元気で長生きしてほしいとは切に願うのである。
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2014年06月27日

のんちゃん2。

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昨日に続きのんちゃんの登場である。これが普段ののんちゃんである。笑顔が本当にくったくがない。鉄人、笑顔になるのが少々苦手である。というかカメラの前で笑顔を作るのが苦手なのだ。

一般的に男性はカメラの前での笑顔が苦手な様だ。皆指名手配犯の様な顔にある。でも笑わせたい。鉄人もプロである。そんなときに男性が笑顔になってくれる決め台詞があるのである。

それは「顔、怖いで〜す」って正直に言うのである。これが不思議なくらい効く。苦笑ではあるがほとんど笑顔を作ってくれる。「笑ってください」って言っても笑顔を作れるものではないのだ。

その点、女性は天性の役者である。大抵直ぐ笑顔を作ってくれる。もっと笑顔にしたい。これにもコツがある。それは「今の笑顔、70点で〜す」ってやるのだ。

女性は役者だからもう少し頑張って満点を取ろうと努力する。この方法は最初から笑顔が作れる女性だから効果があるのだ。男は最初は0点である。いくら点数を付けたくても無理なのである。

のんちゃんの笑顔は満点に近い。営業スマイルではない少しはにかんだ、でも大きな表情が、真っただ中にいる青春を感じさせて実に爽やかである。

こんな笑顔、鉄人絶対に出来ないんだよね〜。

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2014年06月25日

のんちゃん。

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写真の女の子は、「のんちゃん」と言う。近所に住んでる子で高校一年生だ。彼女が小学生からの知り合いで、高校生になったお祝いに写真を撮って上げた。

もう二ヶ月も前に撮ったのだが、近所でも意外と合わないもので、今日たまたま家の前で見かけて写真を手渡すことが出来たのである。

ご覧の様になかなかの美人さんである。制服姿も撮ったのだが、彼女陸上をやってるらしく、その格好も撮らされた。びっくりしたのは、陸上の姿になったとたん目つきが変わり、制服姿にはないキリリとした表情になったことである。

そのドラスティックな変わり様に、鉄人のカメラマンとしての血が騒いだ。こんな表情の「のんちゃん」を今まで見たことが無かったからだ。

何時もはニコニコして話しかけてくれるのんちゃんのこんな一面があったとは。目力が半端ない。カメラマンにとって目力があるモデルは、撮影のやりがいがある。

人物写真で一番印象に残るのはやはり目である。目力が強い分、写真も大変にインパクトのある印象に残る作品になるのである。

彼女自身には、自分にそんな一面があることは多分自覚無しに写真に納まったはずである。本人も気づいていないかもしれないその人の違う一面を切り取るのもカメラマンとしての醍醐味である。

久しぶりに会ったので話も弾み、スタジオで2時間以上もおしゃべりしていた。子供は子供で悩みも多い様で、やはり生きるということは大変なのである。

近々完成する鉄人の新しいホームページに登場してもらえることになった。そこでは制服姿ののんちゃんが登場する。くったくのない笑顔の写真である。これはこれで彼女らしい。お礼に何か奢らなければならんな。
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2014年06月24日

あだ名。

「実る」

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かみさんは鉄人のあだ名を付けるのが上手い。最近付けられたあだ名を紹介したい。鉄人の新しいあだ名は「まさピロリ菌」である。

鉄人は名前を「正弘」と書いて、普通に「まさひろ」と読む。元々は僧侶の名で、仏法を正しく弘めるという意味になる様だ。かみさんはその由緒正しき名前である「まさひろ」の「ひろ」を錑り「ピロリ菌」にしてしまったのだ。

「ピロリ菌」にしたのには訳がある。最近鉄人が患って苦しんでいる十二指腸潰瘍が、ピロリ菌が原因ではないかという彼女の推理から来ているのだ。

ひとが潰瘍で苦しんでんのに何て奴だと憮然としたが、あまりにもタイムリーなあだ名なので不本意ながら苦笑してしまった。

ただ残念なこと今現在潰瘍は快方に向かっている。折角付けてもらったあだ名が過去のものになるのはいささか残念ではあるが、どうせまた鉄人の弱点に託け新しいあだ名を命名することになるだろう。

それもまた何処か楽しみではある。


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2014年06月23日

安全策(柵)。

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昨日はちょっと日曜大工をやってみた。鉄人の家の階段は螺旋階段である。螺旋階段にしたのには訳がある。一階が写真スタジオなのだが、写真スタジオは天井が高い方が良い。

スタジオの中央に被写体になる人間が立って、その上に照明を設置するのには高い天井が必要になってくるのだ。当スタジオの天井高は4メートルである。

その高い天井を持つ家の二階に上がるのには螺旋階段が一番容積少なくて済むのである。友人の建築家がデザインしたこの螺旋階段は、確かに美しい。でも綺麗な薔薇には棘があるのである。

この螺旋階段は極めて危険な代物でもあるのだ。写真のように手摺の柱の間隔が広く空いている。デザイン的にはシンプルですっきりしている。

でもこの隙間から子供の体なら簡単に落っこちるのである。母の体も小さい。小六くらいの大きさなので、やはり簡単に落っこちる可能性がある。

足が悪い母なので、たとえ手摺があっても何かのアクシデントでそんなことが起こらないとも限らない。母は以前自宅のカーペットに足を引っかけて足を骨折した経験がある。

なにせ天井高が4メートルである。落っこちればマジで命も危ない。怪我は自宅で起きる確率が一番高いのである。

という訳で手摺に網を張ることにした。ホームセンターで園芸用の網を買って来て結束バンドで止めた簡単なものだが無いよりはマシである。時間があるときにもう少し補強しようと思う。

長男の友人達に子供ができた者が出始めた。子供を連れて我が家に遊びに来るかもしてない。自分の孫の予定は当分無いが転ばぬ先の杖である。幾らか不安が解消されたようだ。
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誕生日。

「野薊」

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母の誕生日が近いので、祝いとして家族で近所の中華料理店でランチすることにした。この店は知る人ぞ知る名店で当然満席。直前に予約していたのが功を奏し待たずに食べれた。

息子達はいない。主役の母と鉄人、かみさんそして鉄人の妹の四人のメンバー。妹が鉄人の家に来たのは実に十数年ぶり。呉の吉浦に嫁いでいるのだが運転が苦手、鉄人の家まで来るのが億劫だったようだ。

メニューは飲茶のコースを頼んだ。この店は彼の陳健一の弟子が営んでいる。安くて美味いと評判の店である。鉄人の家からは石を投げれば届くほどの近さだが何時も客が多いのでなかなか行けない。

味もボリュームも申し分ない。費用対効果が優れた店だと断言出来る。男の鉄人でも満腹になるほどだが、母はそのコース料理をほぼ完食した。「年寄りだから食が細い」というのが母の日頃の台詞だが、どの口が言ってんのかと突っ込みたくなるほどの食欲である。

他の女性陣も完食。ちなみに彼女らは日頃から食は細くない。当然すこぶる健康的な体格をなされておられる。

行列ができる店なので、やはり日曜である今日も行列ができていた。折角の誕生日会なのでゆっくりしたかったのだが、生来の小心者である鉄人は待ち客が気になって仕方がない。

そそくさと逃げる様に店を後にしたのである。今回の誕生日会でひとつだけ忘れていたことがある。なんと「誕生日おめでとう」の言葉である。皆目の前のご馳走のことしか頭になかったのだ。

一番肝心なことをすっかり忘れていた訳である。人は食事の時に育ちが出ると何かで読んだことがあるが、我々のお里が知れたことになる。まあ、鉄人と妹のお里は母なんだけどね。


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2014年06月21日

ギリシャ戦。

「水田」

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何時もはワールドカップをリアルタイムで観ることはない。昨朝のギリシャ戦は朝食時間と重なり何となく観てしまった。

大して興味がないワールドカップではあるが、鉄人にもナショナリズムはある。勿論日本代表を応援していた。押し気味の試合展開で、おまけにギリシャの選手がレッドカードで退場になった。

当然益々日本が有利になるはずだが、鉄人、そのレッドカードが出た時点でほぼ引き分けを確信したのだ。はたして試合結果はその予想が当たり引き分け。日本にとっては手痛い引き分けになった。

理由は簡単である。ギリシャはレッドカードを出した時点で勝利をほぼ諦める。引き分けに持ち込めれば御の字である。当然ディフェンスを固める。

高身長のギリシャの選手達に10人全員で守備を固められたら逆になす術がなくなる。ドリブル突破も空中戦も効かない。元々堅守で勝ち上がって来たチームである。勝つつもりがなければこれほどやりにくい相手もいなかったであろう。

今回のワールドカップでは、各国の代表チームを動物に例えるというのが話題になっているが、ギリシャはカメレオンだそうである。何とか生き延びる術を知っているというのがその理由らしいのだが、昨朝の試合などまさにその特徴が見事に現れていたと思われる。

猛獣を相手に戦う力はあるが、一度倒れるとなかなか起き上がれないキリンに例えられている我が日本代表。これもまた然りのようである。

ギリシャ戦のように、物事の綾というのはなかなかセンシティブなものである。ここまでは日本には絶望的な展開だがまだ何が起きるか分からない。日本にとってラッキーになるような「綾」に期待したい。
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ミーちゃん2

「美人?」

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ミーちゃんは雌猫なのだが、本当に女性の性質を感じる。甘える。焦らす。拗ねる。怒る。無視。気まま。人間の女性と何も変わらない?

畳には上げない様にしているのだが、隙をみてわざと上がる。それを注意すると畳を2〜3回爪で引っ掻いて悠然と退散する。同じことを何度もやるので間違いなく確信犯なのである。

一日の内に必ず一度、家族の一人一人に挨拶にくる。でも特におべんちゃらはしない。とりあえず顔を出しておこうという態度なのだ。それが終わると次男の部屋に行き、ソファに次男と一緒にしばらく過ごすというのが日課になっている。若くて優しい男が好きなのは、人間の女性と同じである。

ミーちゃんは猫なのに若干たれ目である。でもそこそこ美人なのではないかと思う。鼻が悪いので年中鼻水を垂らしているのがマイナスポイントか。

今まで家に猫が居なかったので、その生態を観察するのは面白い。もうちょっと俺に懐けよ。
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2014年06月19日

観察の危険性。

「慈雨」

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解脱の為には、「無常」「無我」「苦」の観察を徹底的に行うことが必要になる訳だが、仏陀は、その観察に於ける「汚れ」に注意する様説かれている。

我々が目指す解脱にとって観察は必須なのだが、そこには危険性も孕んでいると指摘されているのである。それも真剣に徹底して修行している修行者ほど陥り易い落とし穴なのだ。

観察の汚れは十種類あるらしいのだが、その内容は難しい。それはある地点まで到達している修行者でないとその落とし穴は存在しないからである。

真面目に真剣に修行しているのに汚れる。汚れるのはこころである。このパラドックスを回避しなければ到底解脱には辿り着かないことになる。

ではどういう理由でこころが汚れるのであろうか。スマナサーラ・バンテーが「ブッダの実践心理学 第八巻」で説明されている十種類の「汚れ」の内の2〜3を取り上げてみたい。

ひとつ目は「光」である。瞑想していると、目をつぶっているのにも関わらず、頭の中に光が現れてくる。この現象が現れると、修行者は喜ぶのである。

中にはこれこそが「悟りの光だ」と勘違いする修行者も出てくる。だが光は現象であって、悟りとは無関係なのだ。光が現れたことで喜び、それに執着する。これが「汚れ」なのである。

二つ目は「智慧」。例えば無常を観察する。一切の現象は無常であるという真理をまざまざと理解するようになる。これが智慧である。

その事自体に問題があるのではなく、そのことで「これは解脱である」と解釈してしまうことが「汚れ」になるのだそうだ。無常に対する観察に於ける理解と解脱はまた別もの。ほとんどの優れたヴィパッサナー実践者が引っかかる可能性がある「汚れ」になる。

三番目は「喜」。喜びである。修行が進み、ある地点に来ると勝手に喜びが湧いてくる。これは修行の成果であるのだが、問題はこれも悟ったと勘違いすることにある。

修行の目的は、一切の執着を捨てることであって、喜びに溺れる事ではないとバンテーは説破されている。

鉄人は修行不足で今だこの境地には達していないが、本の内容は何となく理解できる。これからはこの「汚れ」に陥らない様注意して観察して行きたい。


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奇跡。

「風渡る」

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これは偶然なんだろうか、さて奇跡なんだろうかと思う事が鉄人の人生の中でよくある。先週もそうだった。

先週、仕事の予定は大変詰まっていた。無事に撮り終える事が出来るか不安だったのだが、そこにその不安に追い討ちを掛けるような不安材料が増えたのだ。

それは体調不良である。ひと月前程から十二指腸潰瘍を患っていたのだがその症状が重くなりだしていた。悪い事は重なるというが、あろうことか痛風まで発症したのである。

普通でも上手くやれるかどうかのギリギリの線。それが体調不良となれば不可能に近い。島根県の沖の島での撮影も入っていた。

受けた以上断れない。代わりもいない。鉄人窮地に追い込まれたのである。ところが奇跡が起こった。ドタキャンである。それも立て続けに4件も。一週間で4件のドタキャン。そんな事は今まで一度もなく、一遍に4件なんてありえない話である。

鉄人、窮地を救われたことになる。普通なら立て続けに4件もドタキャンされたら凹む。だが今回だけは本当に感謝した。もし予定通りに撮影が行われていたら今頃どうなっていただろうか。

去年もあった。3月頃のことだったが、その頃も忙しかった。鉄人の体調は今回よりも深刻で、精神的に病んでいたのである。パニック症状が出る一歩手前まで行っていたと考えられる。

その日も何件も飲食店の撮影をしていたのだが、鉄人の精神は限界に近づいていた。次の撮影をしたら多分こころが壊れると現実的に感じていたのである。

そのときも奇跡が起きた。同行のライターさんのお婆さん亡くなられ、その撮影を急遽キャンセルしてライターさんが帰られたのである。

これもちょっと考えられない話。仕事中でも縁者のご不幸はあるかもしれないが、自分がこのままでは危ないと感じた時にそれが起きている。去年のこの事といい今回といい鉄人にとっては奇跡的なことなのである。

これは偶然なんだろうか。鉄人の人生は決して順風満帆とは言い難いものだが、不思議とそんな奇跡的な事に節目節目で助けられている。

守護霊がいるかどうかは不明だが、超危なっかしい人生を歩んでいる鉄人が、見えない何かに助けられているのは間違いない様だ。

今までそんな風に助けられて生き存えているのなら、何とか修行を重ね己の人格を上げていかねばならんなと感じているのである。

追伸 時間的に楽になったお陰か潰瘍も痛風も大分良くなった様だ。
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2014年06月14日

親子げんか。

「森に居る」

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昨夜、些細なことで母と言い合いになった。何十年ぶりのことだろう。息子が汁なし担々麺を買ってきてたので皆で食べることにした。

ところが母だけはそれを躊躇している。辛いものが苦手なのだ。でも折角孫が買ってきたのだし・・・。という思いもあった様だ。

そこに鉄人の一言、「食べたくなきゃ食べなきゃいい」。これに母がカチンときたのだ。「そんな言い方はないだろう」という訳である。

確かに言い方が多少乱暴だったかもしれない。ただ「食べたくないものは食べたくなくていい」「食べたくないときは食べなくていい」というのは、鉄人の母への一貫した態度だったのである。以前から言っていた。

母は我が家の新参者である。かみさんや孫への遠慮もあるだろう。かみさんが作った料理に手を付けないのも申し訳ない気持ちも湧くかもしれない。

でもそれじゃあ高齢の母には決して良くない結果になると思っているのだ。遠慮せずに好きなものを食べたいときに食べればいい。そっちの方が余生が楽しいはず。そんな思いがあるのである。

母は多くの弟子がいる立場であった。師弟関係は完全なトップダウンであるし、弟子はそれに決して逆らえない。だから母は誰からも諫言されることがなかったのである。

でも鉄人は息子だから言いたい放題。それがどうもお気に召さなかった様だ。まあ、そこは親子、けんかしても今日は仲良く鯛の骨蒸しにしゃぶりついていた。

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2014年06月11日

カジノ構想。

「虫の世界」

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国がカジノ構想に本腰になってきている様だ。ギャンブルに国がお墨付きを与えるなんて鉄人には信じられない話である。

鉄人の知人に筋金入りのギャンブラーがいる。競馬が主だがギャンブルなら何でもござれ、つぎ込んだ金も半端ない。競馬で万馬券を当て一夜にして八百万円という大金を手にしたこともある。一日で数十万円を稼ぐのも彼にとっては特別なことではないらしい。鉄人にとっては夢の様な話である。

でもその彼が言うには、ギャンブルとは「負ける快感」を得んが為の行為なのだそうである。彼自身生涯で六千万から八千万円負けていると吐露していた。筋金入りの彼でもたまには勝つが本当は大抵負けていることになる。

そう、はなからギャンブルに手を出す人間の負けは決定済みなのである。そういう意味では彼が言った「負ける快感」という言葉は至言であるのかもしれない。

そんな国民負け決定済みなカジノを国が後押しするというのは到底理解に苦しむ。仏陀は、その教えの中で「賭け事の怖さ」を厳しく指摘されている。

賭け事は自分自身も家族も崩壊に導く大変に恐ろしい行為なのだと。であるから賭け事には絶対に手を染めてはならないことになる。

鉄人はギャンブルを全くやらない。興味も無いし鉄人にとっては時間の無駄である。ギャンブルをするのは人の勝手と言ってしまえばそれまでだが、カジノに頼らなくても日本を守っていける様な国家としての矜持を持ってもらいたいとは思うのである。



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2014年06月09日

飽和状態。

「霧、漂う。」

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問題が起きるときは重なるもので、鉄人は今、まさにその状態なのだ。まず体調がすこぶる悪い。十二指腸潰瘍を患っている。

元々若いときに潰瘍を患いそれが傷になって残っているのだが、最近のストレスでその傷口が再び広がったのかもしれない。

老いた母親が我が家に越してきたのはいいのだが、四十年近く一緒に住んでいなかった。勝手な行動をとる母に過剰に心配してしまう。おまけに人の心を見透かしているかの様な行動をとる母が連れてきた雌猫にも手こずっている。

仕事はドタキャン続き、間が悪いことに到頭パソコンが殉職してしまった。予備のパソコンがあるのだが、こいつも後を追いそうな気配で調子が悪い。何時殉死するのかとハラハラしながら作業を続けている状態である。

それで新しいノートパソコンを買った。これが今までのやり方とあまりにも違っていて今のところほとんど戦力になっていない。ドタキャン続きでイライラ。パソコンがメゲそうでイライラ。新しいパソコンが使えなくてイライラ。

日常が戻っていないといったところか。というか今の環境に慣れていないのだろう。しかし潰瘍だが食欲は衰えていない。そこに救いがありそうだ。

鉄人のイライラはもうしばらく続きそうである。
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2014年06月02日

主役。

「ミーちゃん」

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我が家に母と共に一匹の猫がやってきた。名前は「ミーちゃん」。何ともストレートな名前だが、その猫のイメージに合っている。

子猫のときに、母が誰かから貰ったらしい。勿論雑種だ。この雑種の猫がなかなかの曲者なのである。まず愛想があまりよくない。油断をすると引っ掻かれる。

母など毎日餌をやって育てているにも関わらず、全然懐いてもらえないという有様である。図太いのだ。しかしその図太さが我が家では功を奏しているようだ。

普通猫は家に付くみたいで、自分の居場所が変わると以前のところに帰ろうとするらしいのだが、「ミーちゃん」に限ってはその雰囲気はない。

既に我が家を支配している。不適な奴だが逃げられないと思うと逆に安心なのだ。鉄人は猫派。かみさんは犬派で猫は苦手。でも今ミーちゃんを一番可愛がっているのはその猫が苦手なかみさんというのが面白い。

ともあれ今我が家はミーちゃんを中心に廻っている。とぼけた母と図太い猫との組み合わせ。なかなか見物なのである。
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