
「日本人には塩が足りない」、本のタイトルである。日本食塩研究会代表の村上譲顕という方が書いている。
日本人は、高血圧症が非常に多い。そして医者はその人々に対して、判で押した様に「減塩」を勧める。しかし現在高血圧症の患者はまったく減っていず、逆に増加の一途を辿っているというのが現状である。
そんな状態に、「本当に減塩するのが正しいのか」と疑問を持たれた村上氏が、自分自身の経験も踏まえて研究をされ、「減塩は必要がない」むしろ減塩は元気をなくし、健康を損なうという結論に至り、その根拠をこの本の中で述べておられる。
鉄人もご多分に漏れず高血圧である。当然医者からは減塩を厳命されている。しかし「減塩は危険である」と警鐘を鳴らしている医者も多数存在するのである。
同じ医者という立場として、真逆の処方をしていることになる。さてどちらが正しいのか。ブッダは、有名な人が言ったから、多くの人々が信じているから、だとしてもそれを鵜呑みにしてはならないと説かれている。自分で充分に調べ納得してから信じる様にと。
少なくても「塩」は人間にとって、いや生命にとって不可欠なものである。地球上の生命のふるさとは「海」である。その海の成分と生き物の血液のミネラルバランスは非常に似ているそうだ。
それを踏まえて考えてみれば、「減塩」は、そのバランスを崩すことにはなりはしないだろうか。生き物は「塩」をまったく摂らないと、とたんに元気がなくなり、最後は死んでしまう。塩は生命維持の為には最も大切なものなのだ。
だから医者が「減塩」を患者に勧める為にはその根拠となるものが必要になってくる。「医学の常識です」では危険すぎると思うのである。
日本の国土は、高温多湿である。だから汗をかき易い。汗をかけば、その汗と共に体内の塩分は外に出て行く。足りなくなった塩分は、当然その分だけ体内に取り入れなければならない。
ところが、医者が勧める塩の摂取量の基準は、欧米のそれで、日本より低いとこの本では述べている。日本と欧米では気候風土が異なるのに、欧米並みの少ない塩の摂取を、それが正しいことと決めつけて治療に当たっているのだ。医者は自分達でどれだけ調べたのだろうか。
また村上氏は、「塩」と「塩化ナトリウム」の違いについても言及している。今では、塩=塩化ナトリウムという感覚だが、塩化ナトリウムは純度が高くほとんどその他のミネラルを含まない。
しかし生き物にとって、実は大切なものが、その他の不純物といわれる様々なミネラルなのである。海水中の様々なミネラルをバランス良く含んだ自然な塩が、生き物を健康にすると村上氏は力説するのである。
そしてこの様な自然塩の摂取で、高血圧になることはないとも言われている。自然なものは、もしある程度過剰に摂取したとしてても、不必要な分は体外に放出されるからだそうだ。勿論摂り過ぎはいけないが。
鉄人は最近、自然塩が入った青汁を毎朝飲んでいる。自分を実験台にしている訳だ。今のところ調子は良さそうである。
鉄人の知人にも医者はいるが、皆どっか調子が悪い。別に医者を信用しないというのではないが、自分で充分に調べて、自分が信用出来ると思われる健康法を見つける必要があるのではないだろうか。生きるも死ぬも自己責任なのである。