
また俳句をやりだしたので、松尾芭蕉に関する本を本棚で探してみた。確か数冊あるはずだと記憶していたのだが、欲しいときには目的のものがなかなか出て来ないのが常である。
そうしているうち一冊芭蕉関連の本が見つかった。それはマンガである。あの一世を風靡した釣りマンガ「釣りキチ三平」の作者、矢口高雄氏が芭蕉を題材にして描き下ろした本で、タイトルが「マンガ 奥の細道」というものだ。
芭蕉と曾良が東北と北陸を旅したときの様子と、そのときに詠んだ俳句の成り立ちが、矢口氏独特の真面目で精巧なタッチで描かれている。
鉄人はこんな感じの古典や仏教に間するマンガを幾らか持っている。これが意外に面白いし、結構役に立つ。
古典や仏教関連の本は難しいものが多い。道元の「正法眼蔵」などものっけから「百尺竿頭如何進歩・・・云々」、鉄人には難しすぎて先を詠む気になかなかなれない。それがマンガなら読んでみようかという気にもなれるのだ。
マンガと言えど内容の本筋は変わらないから簡単ではないのだけれど、マンガにしていることで、取りあえず読み進められるし、そのお陰で道元が伝えたかったことも何となく理解できる。
同じ様に「禅問答」なども、普通の本なら字面を追うだけで意味がさっぱり分からないが、マンガならその様子を分かり易く描いているので、鉄人の頭でも幾らかは理解できるのだ。
日本のマンガの水準は世界一だそうである。普段、マンガを読む事はあまりないが、これを機会にまたマンガを楽しんでみようと思う。